お前が好きなのは俺だろ?
「っ!!本物!?」
あたしが告白したことを知っているなんて、やっぱりこの人は正真正銘の一ノ宮君!?
「えっ、じゃ、じゃあなんでっ!?えっ!?」
な、なにか変なモノを食べちゃった!?
もしかして、体調が悪くておかしくなっているのかも!!
でも、そんなあたしの期待はあっさりと消えた。
「なんでも何も、お前が見ている俺が本当の俺」
「本当の……一ノ宮君……?」
「そう。学校では作ってんの」
「作ってる……」
もう、ショックで言葉もない。
いつも誰にでも優しくてにこにこしている一ノ宮君。
それが……偽物……
偽物……
って!!
「じゃ、じゃあ!あたしの王子様は!?」
ずっと憧れてた一ノ宮君は!?
「そんなのいるわけないだろ。まだそんなものを夢見てるのかよ」
っ!!
こいつ!今鼻で笑った!!