お前が好きなのは俺だろ?
*いいものを見つけた‐玲Side‐
「おっ、なんか楽しそうな顔してるじゃん」
「は?」
朝の第一声にそう言った弘也。
「機嫌いいってことは、再婚相手の家族とうまくいったのか?」
「あ―、まぁな」
「へぇ~、それはよかったな」
「でも、それよりもっといいものを見つけたんだよ」
「……は?」
特別に面白い物をな。
「お前の楽しそうな顔、久しぶりに見た……」
「そうか?」
「ってか、悪そうな顔してるぞ……」
ふっ……悪そうな顔か……
あれから未来は子猫のようにビクビクしながら俺を警戒していた。
当り前か。
ファーストキスを奪っちゃったんだからな。