お前が好きなのは俺だろ?
『ちぇっ!』じゃね―よ!!
俺が舌打ちしたいくらいだ!!
心の中で必死に怒りを鎮め、それからの授業に臨んだ。
授業はいつもつまらなく簡単だ。
それでも熱心に勉強をしているフリをしなくてはいけないというのは、何かと大変。
しかし、優等生の俺には仕方のないことだ。
ずっと仮面をつけたような生活……
ただ最初は父親に迷惑や心配をかけたくないからだったのに……
そのうち、本当の自分が分からなくなって仮面をとることができなくなった。
そんな俺と対照的な、昨日できた妹。
すぐに感情が顔に出て、くるくると変わる……
明るくて、可愛らしい……
大切に大切に育てられてきたのだろう……
純粋で、全然穢れを知らない。