お前が好きなのは俺だろ?
だから仕事の忙しい父親に代わって、年の離れている妹の面倒は、ほとんど弘也がみている。
高校生ながら、もう主婦といった感じだ……
それから弘也と俺の家に向かった。
「それにしても、相変わらず広い部屋だな―……」
俺の部屋をキョロキョロと見渡しながら、そう呟く。
「別に広すぎても、何の得もないぞ」
「うわっ!!俺に対しての嫌味か!それは!!」
「……バカ」
嫌味ではなく、本当にそう思っている。
広すぎるこの部屋は、必要最低限の物しか置いてなくて、スッキリとした感じだ。
昔はこの部屋にいるのが嫌で仕方なかった。
大きな部屋に、ポツンといる自分。
そんな自分がみじめに思えたから……