お前が好きなのは俺だろ?



「っ!!ありがとっ!!」



休み時間の智香の励ましに、少し気持ちが温かくなった。



「で、どうして遅刻してきたわけ?」



「実はね―……」



智香に朝からの出来事を事細かに話した。



「それで未来は朝から機嫌が悪いわけね」



納得したように頷きながらあたしを見る。



智香には一ノ宮君と兄妹になったこと、そして一緒に暮らし始めたことも話した。




あたしが唯一、一之宮君とのことを話した相手。



親友の智香にしか話せないと思った。




「でもさでもさ、この展開ってまるで小説みたいだよね~」



「え?」



「ほら、未来も好きでしょ?恋愛小説」



「う、うん……。好きだけど……」



だからそれが何?



< 73 / 424 >

この作品をシェア

pagetop