お前が好きなのは俺だろ?
「っ!!ありがとっ!!」
休み時間の智香の励ましに、少し気持ちが温かくなった。
「で、どうして遅刻してきたわけ?」
「実はね―……」
智香に朝からの出来事を事細かに話した。
「それで未来は朝から機嫌が悪いわけね」
納得したように頷きながらあたしを見る。
智香には一ノ宮君と兄妹になったこと、そして一緒に暮らし始めたことも話した。
あたしが唯一、一之宮君とのことを話した相手。
親友の智香にしか話せないと思った。
「でもさでもさ、この展開ってまるで小説みたいだよね~」
「え?」
「ほら、未来も好きでしょ?恋愛小説」
「う、うん……。好きだけど……」
だからそれが何?