お前が好きなのは俺だろ？

――ガラッ



「「え？」」



突然開いたドアに驚いたのか、２人で目を丸くして俺を見ている。



「うおっ！玲！！」



つーか遅ぇんだよ。



今更放したってどうせ見たから。



「……何してんの？」



気分は嫌なくらい落ち着いていた。



それはさっきのイライラがサーッと引いていくほどに。



「いや、あの……玲、これは違くて……」



「別に俺に弁解しなくてもいいから」




弁解とか俺にしてどうなるわけ？



それでも弘也は必死に俺に何かを言おうとしている。



でも今の俺は弘也より未来が気にくわない。



「つーか俺、出かけてくる」



「おいっ！ちょっ！玲っ！！」




なんで、未来は弁解しないんだよ。



少しくらい焦ろよ。