あの夏の恋

□二日目











□ □ □



柔らかい土の上にリュックサックを置いて、僕は横たわった。


視界には、一面新緑の色が映る。

蝉は、相変わらず元気に鳴いていた。


森の、優しい風が僕を包み込む。



隣で、かさりと音がした。

視線を移すと、同じ様に寝転がる、制服姿の少女の姿があった。



「・・愛ちゃん、」

「気持ち良いね、寝転がると」



愛ちゃんは気ままにそう言った。
瞼を閉じて、ご機嫌そうに笑っている。



「今日は、なんの話しをする?」


顔を僕に向ける。
どきり、と心臓が高鳴った。


純粋な愛ちゃんの目が合うと、更にその心拍は上がっていく。




< 13 / 35 >

この作品をシェア

pagetop