あの夏の恋
□二日目
□ □ □
柔らかい土の上にリュックサックを置いて、僕は横たわった。
視界には、一面新緑の色が映る。
蝉は、相変わらず元気に鳴いていた。
森の、優しい風が僕を包み込む。
隣で、かさりと音がした。
視線を移すと、同じ様に寝転がる、制服姿の少女の姿があった。
「・・愛ちゃん、」
「気持ち良いね、寝転がると」
愛ちゃんは気ままにそう言った。
瞼を閉じて、ご機嫌そうに笑っている。
「今日は、なんの話しをする?」
顔を僕に向ける。
どきり、と心臓が高鳴った。
純粋な愛ちゃんの目が合うと、更にその心拍は上がっていく。