あの夏の恋
「今でも、後悔してるよ。何で今まで、自分を消して生きてきたんだろうって。
ちょっと前の人生を、返してほしいくらい」
「今は、楽しいの?」
一瞬、愛ちゃんの表情が曇った。
でも、すぐに俺を見て、笑う。
「楽しいよ、こうやって“私”を出して話せることが」
太陽の光が丁度、愛ちゃんを照らす。
白い肌が透けるように照らされた。
綺麗だ、と思った。
正直に生きてる愛ちゃんが、綺麗だ、と思った。
心臓の高鳴り。
あぁ、僕、愛ちゃんに恋をしているんだ。
“正直な心の声”が溢れてきた。