あの夏の恋
「はぁ・・・・・・・・」
流れる汗を腕で拭う。
今は祖母の勧めで、近くの小さな山に来ている。
小さな山と言っても、運動不足の僕には丁度厳しいくらいの険しさで、ほんの少し歩いただけでも息が上がる程だ。
運動をあまりしない僕に、いきなり山登りをさせるのは無理がありすぎるだろう。
そう思う。
自然と、溜め息が零れた。
山を登ってまだ一時間と言った所だろうか。
少し休憩を、と思って僕は木陰に腰を下ろした。
木陰が僕をすっぽりと包む。
暑い空気が、少し冷たくなった気がした。