あの夏の恋



愛ちゃんがにこりと笑った。



愛ちゃんが好き。

たった二日会っただけで、僕は彼女に惹かれてしまった。


彼女のたくましい生き方に、惹かれてしまった。



正直な心の声、というものを、自分の中で押し殺す。
そんな人生、勿体無い。


愛ちゃんは言ってくれた。



でも、「好き」なんて言える訳が無い。

今まで人を好きになんてなったことが無かった僕に、告白なんてできるわけない。



心臓が急加速する。


そうやって、僕は今まで逃げていたのかもしれない。


できない、できない、できない。
そうやって、今までずっと逃げてきたのかもしれない。



告白。


そんな言葉が頭を支配する。




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