あの夏の恋
テレビはとっくに次のニュースになっていて、テレビの大きい音だけが部屋を響かせる。
「夏、夏?どうしたんだ・・・・・・?」
固まっている僕を、祖母が揺らす。
声が、届かない。
下げられた音量に、早くなっていく鼓動。
「そうか、お盆・・・・・・・・・・・・」
ふと、どこかで納得してしまっていた僕が居た。
「夏、どうなのかは知らないが、取り合えず座れ」
祖母がやさしく声を掛けてくれる。
自然とその声に癒されて、僕は床に力なく座った。