あの夏の恋

□三日目











□ □ □



あの太くがっしりした木に凭れる。


強い日差しを木々達が抑えてくれた。


心地の良い風が僕を優しく包み込む。


蝉は必死に鳴いている。



「・・・・・・愛ちゃん・・・・。」



僕の目の前に現れた愛ちゃんは、今日は笑っていなかった。



「夏くん・・・・・・・・」


泣きそうな声が、蝉の声に負けそうだった。



「愛ちゃん、ここが好きなんだよね」


僕は、木陰を見渡した。



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