あの夏の恋



ここは、山意外何も無い、超がつくほどの田舎だ。

コンビニも無ければ、スーパーも店も無い。


よくこんな所で祖母は住んでいるな、時々真剣に思う。

祖母曰く、「都会はうるさい」そうだ。


リュックに入っていたペットボトルを開け、水を飲む。
ひやりと気管が冷えた。



足が痛い。歩きすぎた。
暑い。汗が止まらない。


蝉がうるさい。頭にわんわんと響く。


本当に自分は田舎には向いていないな、と自嘲した。


タオルで汗まみれになった顔を拭く。


「はぁ・・・・・・・・・、」


顔を拭いて、視線を前に戻したとき。



人、と目が合った。





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