あの夏の恋
「わっ、」
驚いた。
僕の少し前には、人が居た。
相手も、驚いたように僕を見ている。
立っていたのは、ごく普通のセーラー服を着た、少女だった。
「えっと、・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
少女は僕と同じ歳くらいだろうか。
幼さが残っている表情で、僕を見つめていた。
「・・・・びっくり、した・・・・。初めてこの山で若い男の人、見た・・・・・」
細い声だった。
透き通るような声で、言葉を繋ぐ。