あの夏の恋
「じゃあ僕は、愛ちゃん、でいい?」
「うん、何でもいいよ」
僕の隣に腰を下ろす愛ちゃん。
不意に、冷たい空気が僕を撫でた。
汗が冷えて、体温が低くなっていくのが分かる。
体温管理も自分で出来ないのが、悩みだ。
「夏くん、顔色悪いよ?寒い?」
「ううん、汗が冷えただけ。少し水飲めば治ると思う」
「ごめんね、無理に話しかけちゃって。こんな所に近い年の人が居たから、つい話しかけちゃった・・・・・」
「全然。丁度僕も暇してたんだ」
愛ちゃんは制服のまま、土の上に座る。
きっと、そう言うのを気にしないタイプの子なんだ。
優しい風がさわさわと通り抜ける。
時間が流れるようだった。