あの夏の恋



ゆっくりと、今感じたことを話して、森を眺める。

うるさい蝉の声に掻き消されそうな、愛ちゃんの細い声を良く聞く。


ゆったりした時間だった。

他愛もないことを話して、ぼーっと過ごす。



これはこれで、良いかもしれない。
僕には無い、“体験”かもしれない。


家族以外の人と接する事なんて、僕にはそうそう出来ない。
愛ちゃんはゆっくりと人の心に入っていくのが上手だった。






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