幕末ヴァンパイア
『―――――…、――――!』
「ぇ…?」
空耳だろうか?
今、何か聞こえたような…?
『……シュ…ア…シュ……!』
誰…?
私の名を呼ぶのは…?
「だれっ…!?」
私は姿が見えない相手に呼びかけた
『……シュ…アッ…シュ…』
「誰っ…??ね……ぁッ!!…ぅぅ……」
もう一度、呼びかけようとすると、
頭に突然の鋭い痛みがはしった
「ぅっ…ぁ……ッ!!」
頭が割れそうな痛みで次第に視界が薄れてきた
もうダメだと思ったその時だった
『…帰って来い……亜狩(アッシュ)……』
と、もう一度声が聞こえた
今までのかすれた声ではなく、ハッキリとした声だった
「…なたは…一体…?」
薄れゆく意識の中で私は誰かも分からない相手に
もう一度聞いた
『俺は――――だ』
え………?
―――プツン―――
…私はそこで意識が途切れた