幕末ヴァンパイア
暗がりから出た【奴】を見て俺は心底、驚いた
姿形は違えど、
見間違えるハズもない
…あっしゅだった
「あっしゅ…か?」
目の前にいる奴は絶対、あっしゅだ
月明かりで美しい輝きを放つ白銀の髪が波打ち、鋭い金色の瞳がひたと大きく開く
「…何者だ…!」
ググッと首に突き付けられた刀が食い込む
だが、俺は痛みさえ忘れてしまうほど、あっしゅに見惚れた
風にそよそよと流れるように波打つ美しい白銀の髪は俺を魅了させるよう……
口の端からつぅっと伝う赤い血は異様にもあっしゅを美しく際立たせるようだった
そんなことを思う俺はおかしいのだろうか…
ふと隣をみると総司があっけらかんとあっしゅをみて呆けている
彼女は残酷なまでに美しかった―――