幕末ヴァンパイア




俺はこの気持ちが何なのかわからなくて、

頭を抱え悶絶していると


俺達が待ちに待った彼女の姿が視界の端に見えた




「亜狩…!!」





「……………原田さん」







!!







気のせいだろうか




一瞬、彼女がこちらに向けた瞳が闇のように暗かった


瞳がまるで…自分を引きずり込むような錯覚がした



吸い込まれそうだった




「亜狩…」





しかし、こちらにも一度振り向かえった時に元に戻っていた






あれは何だったんだ












あの瞳は…








「原田!いつまでそこにいる」



土方さんの声でハッとした


俺以外、皆土方さんの部屋に入って座ってる

「すまねぇな…」


いそいそと縁側から部屋に戻る

皆、亜狩を真ん中に囲むように座っている




心細くねぇだろうか…






と、内心亜狩を案じつつ俺は新八の横に座り、
俯いて顔が見えない亜狩の表情を探った









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