だいすきの伝え方
「おはよーっ」
明るい声と共に、
小さい体が入ってくる。
大きな鞄を
よいしょよいしょと運んでいる姿は、
うちにいる5歳の弟にそっくりだった。
ちっちゃい…。
机に鞄をぶつけないようにしてるのに、
どうしてもぶつけて机を動かしてしまう。
その度に直してはまたぶつけて。
近付くに連れてはっきり分かったのは、
アイドル並みに顔が可愛いこと。
そんな彼女は、
私の目の前の席に座った。
「おはよう」
にっこりと笑って、
彼女は椅子を引く。
その反動で、
不安定に置いてあったお弁当が床に落下する。
「あーっ…」
すぐさま拾い上げて、
彼女は私を見る。
そして言った。
「これね、新しいお弁当箱なの。
絶対落とさないって決めてたのに、
こんな早く落としちゃったー…。
真優(まひろ)ちゃんもそれ、
新しいお弁当箱なの?」