Myハート
プロプーグ
寒気さを残した春を通り過ぎ
暑い夏が過ぎ
涼しい秋も過ぎ
そして、寒い冬も通り越そうとしていた
「今」

たくさんの卒業生が学校をバックに写真を撮っていた。

わたしもその中の1人だけど。

「刹那??早く来てよっっ」
「うん!ごめんごめんっ!!」

「うちらはぁ??」
『ニコイチ~』
 カシャッ

「うん。上手く撮れてるね~」
親友の麻那が満足げに言った。
「だねだね。」
わたしも写真をよく見るとなんだかうれしくなってきた。
小学生の時何回撮ったか分からないくらい撮ったのに、
今日のは「特別」に感じた。

小学生卒業ってこんなにちがうのか・・・・・・

「もう。お別れだね」
麻那がこんなこと言うからわたしでさえ動揺した。
「何言ってるの??中学校も同じでしょ??」
「でも・・・・・・。」
「もぉ。しんきくさい顔しないで!!向こうで記念写真撮ってるから行こう~」
「うんっっ!」


「終わったら現像してね~」
「うちの住所に送って!!」
写真を撮った加奈が皆に口々言われていた。
「おっけっ」

帰り道最後の下校をした。小学校から家に帰るのはもう最後になるのだろう。
だからもっと麻那とたくさん話しておきたかったけど・・・
2人とも悲しみがこみあげてきてあまり話せなかった。
でもまた中学でも会えるしっ!!
って最後に言えたことがなんだか嬉しかった。

家に帰るとき正確にいうと麻那と別れてから
私の横をある男の子が通った。

【    瞬哉】
である。
その時はどうとも思わなかったけど
その男の子が通るときに柑橘系の甘いにおいがした。
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