条件恋愛
大人
傷心を癒す会という名の女子会から数週間が経過し、学校はいよいよ自由登校となった。
進路も決まっていて特にすることもなかった私は、引っ越しの準備も兼ねて、部屋の片付けをしていた。
「ん?あれ……?」
部屋もだいぶ片付き、本棚の片付けに差し掛かったとき、背表紙に整理番号のシールが貼られている本を見つけた。…学校の図書室の本だ。
その本は冬休みに読もうと思って借溜めしていた本の1冊だった。
もちろん読んではいる。
全部返したつもりだったけど1冊だけ残っていたらしい。
「どうせ暇だし、返しに行こっと。」
机の上にポンと置き、鼻歌を歌いながら本棚の中をふき、本を片付けていく。
そして本棚の整理が終わると財布と本をカバンに入れ、私は家を出た。