条件恋愛
学校へ行くと、時間的にまだ授業中のため、玄関も廊下も静かだった。
幸いにも図書室へ行くのに教室の前を通らなくても良いため、ジロジロとみられることはない。
ガチャリと図書室のドアをあけるとそこには見なれた顔。
「あら、いらっしゃい。」
『永山先生、こんにちは!』
1年の時は担任で、それからずっとよくしてくれていた永山桃子(ながやまとうこ)先生がいた。
進路を決めるときも真剣に相談にのってくれた先生だ。担当は現代文。
事情を説明して本を渡すと、ハイハイとにっこり笑って受け取ってくれた。