蜜色トライアングル ~String of origin
3.渇望
木葉はベッドの中、朦朧としたまま身をよじっていた。
下腹部がじんじんと疼く。
身じろぎすると、シーツが胸の先に擦れてそこからまた痺れが広がる。
敏感に反応する体を木葉は苦しげに抱きしめた。
「……ぅ……っ」
自分の身に何が起こっているのか、わからない。
ワインを飲んだ気がするが、それだけでこうも体が敏感になるものだろうか?
と、その時。
バタンとドアが開く音がした。
誰かが部屋の中に入ってくる足音がする。
「……」
その人物は木葉の姿を見ると、息を飲んだ。
木葉は朦朧とした頭で必死に視線を上げ、その人物を見た。
茶色い髪に、綺麗な焦げ茶の瞳。
昔からよく見知った、この顔……。
「……ゆ……づる……」