蜜色トライアングル ~String of origin



そう考えると木葉の頬がカッと紅くなった。

意識してはダメだと思っても頬が火照る。


「何、カオ赤くしてんの?」


くすりと由弦が笑う。

まるで木葉の動揺を見通しているかのようなその視線に、木葉は思わず顔をそらした。

その胸元には2年前に由弦にもらったネックレスが光っている。


「照れてる? ひょっとして」

「……由弦っ……」

「だとしたら2年離れた甲斐があったってことかな?」


目を細め、嬉しそうに由弦は笑う。

木葉を見つめる焦げ茶の瞳は、昔と変わらず美しい。

……何度も心の中で思い描いた瞳。

しかし実物は想像していた以上に鮮やかで美しい。

由弦は木葉の横顔を楽しそうに見ていたが、やがてポケットから光る何かを二つ出した。


「じゃあそろそろ本題に入るか。……まずはコレ」


由弦が木葉の前に差し出したのは、銀色に光る二つのリングだった。

シンプルな形のそれは、キャンドルの光に鈍く輝いている。


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