蜜色トライアングル ~String of origin
「サイズがちょっと微妙かもだけど。とりあえず嵌めてみて?」
由弦は木葉の手を取り、指輪を指に嵌めた。
――――左手の、薬指に。
「……え?」
と呆然としている木葉の手を掴み、由弦は自分の指にも指輪を通させる。
――――左手の、薬指に。
「ええええっ!?」
木葉は驚きの声を上げた。
この指輪は……これは。
呆然とする木葉の目の前で、由弦はふむふむと頷いている。
「サイズはこれで良さそうだな。あとは……」
「由弦……これって……」
「見ての通り。結婚指輪だけど?」
事もなげに言った由弦に、木葉は真っ白になった。
――――結婚指輪。
いつかはと思っていたが、予想もしない段階で出され、木葉は驚愕した。