蜜色トライアングル ~String of origin



「サイズがちょっと微妙かもだけど。とりあえず嵌めてみて?」


由弦は木葉の手を取り、指輪を指に嵌めた。

――――左手の、薬指に。


「……え?」


と呆然としている木葉の手を掴み、由弦は自分の指にも指輪を通させる。

――――左手の、薬指に。


「ええええっ!?」


木葉は驚きの声を上げた。

この指輪は……これは。


呆然とする木葉の目の前で、由弦はふむふむと頷いている。


「サイズはこれで良さそうだな。あとは……」

「由弦……これって……」

「見ての通り。結婚指輪だけど?」


事もなげに言った由弦に、木葉は真っ白になった。

――――結婚指輪。

いつかはと思っていたが、予想もしない段階で出され、木葉は驚愕した。


< 103 / 122 >

この作品をシェア

pagetop