蜜色トライアングル ~String of origin



「始めはプロミスリングにしようかと思ったけど、どうせすぐに結婚するわけだし。それなら最初から結婚指輪の方がいいかと思って」

「……っ……」

「あ、マリッジライセンスとかは週末にでも役所に申請しに行く予定。木葉、あの書類持ってきた?」


あの書類……。

多分、入国審査の時に出したものだろう。

木葉が頷くと、由弦はよしと笑った。


「あれ、フィアンセビザだから。あれも必要になる」

「……」


木葉は突然のことに目を白黒させていた。

凛花が言ったことの意味がなんとなくわかった。


『あんたがアメリカに足を踏み入れた瞬間、花の独身は終了よ』


――――こういう意味だったのか。


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