蜜色トライアングル ~String of origin



由弦はさらっという。

木葉は頭がくらっとするのを感じた。

この2年間、お互いにとっては全く意味の違う2年間だったらしい。


「え? 何? ……もう一度プロポーズしてほしいの?」

「……えっと……その……」

「してほしいなら言うよ。……木葉、オレと結婚して?」


にこりと笑い由弦は言う。

天使のような微笑みが木葉の心を直撃する。

木葉はくらくらした頭で由弦を見た。


幼いころから慈しみ、大好きだった由弦の笑顔。

自分は一生、この笑顔に振り回されるのかもしれない。


それでも……。


由弦の傍で、誰よりも近いところで、この笑顔を見ていたい。

心からそう思った……。


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