蜜色トライアングル ~String of origin



「……っ、……木葉っ」


自分はどこかおかしいのかもしれない。

こんなにも木葉を渇望する自分は……。

それでももう、止められない。


「……好きだ、木葉っ……」

「……ゆ……づる……」

「愛してる……木葉だけだ。オレは木葉しか欲しくないっ……」


だから、オレを受け入れて――――。


それは昔から心にずっとあった切望だった。


木葉が笑うなら。

木葉が自分を欲しいと言ってくれるなら、自分はどんなことでもできる。


「木葉っ……だから……っ」


と、由弦が叫んだ時。

木葉の瞳がふっと由弦を見た。

涙に濡れた黒い瞳から一粒の滴が落ちるのを、由弦はただ見つめていた。


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