蜜色トライアングル ~String of origin
「……好きだよ、由弦」
「……っ……」
「私は……昔から大好きだった、由弦が」
「……っ」
「でも今は……、もっと好き」
それはずっと昔から、由弦が切望していた言葉だった。
由弦は木葉の背を抱き寄せ、息も止まらんばかりに抱きしめた。
――――木葉の心が、欲しい。
それが叶えられた今、もう由弦が望むものは何もない。
シーツに横たわった木葉の指に光る、銀色の指輪。
二人の未来の証。
「幸せにするから……」
あのクローバーの代わりに、この指輪に愛を誓う。
由弦は木葉の手を取り、銀色の指輪にそっと口づけた……。
<***>