蜜色トライアングル ~String of origin



「……ぇ……」

「……」

「ええええええっ!!」


大声を上げた木葉に、由弦はびっくりしたように背筋を伸ばした。


「ってか驚きたいのはオレの方なんだけど!」

「えっ、でも、だって……うそっ……」


木葉は混乱した頭でふるふると首を振る。

由弦はそんな木葉の肩を落ち着かせるように軽く叩いた。


「検査、した?」

「う、ううん。まさか」

「じゃあ今日中にしといて。オレ、今日は早く帰るようにするから」

「……」


木葉はしばらく目を白黒させていたが、やがて由弦を見上げた。

じわりと嬉しさが胸に広がる。

……由弦との子供。

……愛しい人の子供。


< 121 / 122 >

この作品をシェア

pagetop