蜜色トライアングル ~String of origin
「……ゆ……づる……」
焦げ茶の瞳が、切なげに木葉を見つめている。
その瞳に木葉は胸を切り裂かれるような気がした。
由弦は、弟だ。
……血が繋がってなくても。
自分と由弦は幼い頃からいつも一緒だった。
何をするにも一緒だった。
ふわふわの茶色い髪、まるで天使のようなその笑顔。
自分はその笑顔が大好きだった。
ずっと守りたいと思っていた。
なのに……。
「い……や……っ」
木葉は恐怖に身を震わせた。
――――壊れていく。
由弦との、優しい大切な思い出が……。
……壊れていく。
恐怖に身を縮ませた木葉を、由弦がじっと見つめる。
その目は怒りと熱に狂い、幼い時の面影はみじんもない。