蜜色トライアングル ~String of origin
由弦はもう一度シーツを見た。
……見間違いではない。
これは――――血だ。
つまり、木葉は……。
胸の奥から恐ろしい予感が突き上げる。
由弦はとっさに叫んだ。
「木葉っ!?」
「…………」
「木葉っ、まさか……っ」
由弦は両手で木葉の頬を包み、目線を合わそうとした。
が、木葉の虚ろな瞳は何も映さない。
由弦は呆然と掠れた声で呟いた。
「……木葉……まさか、初めてだった?」
「……」
木葉は答えない。
由弦の言葉は木葉の上を通り過ぎ、まるで聞こえていないかのようだ。
「圭斗とは? ……あいつと、付き合ってるんじゃないの?」