蜜色トライアングル ~String of origin



由弦はもう一度シーツを見た。

……見間違いではない。


これは――――血だ。


つまり、木葉は……。


胸の奥から恐ろしい予感が突き上げる。

由弦はとっさに叫んだ。


「木葉っ!?」

「…………」

「木葉っ、まさか……っ」


由弦は両手で木葉の頬を包み、目線を合わそうとした。

が、木葉の虚ろな瞳は何も映さない。


由弦は呆然と掠れた声で呟いた。


「……木葉……まさか、初めてだった?」

「……」


木葉は答えない。

由弦の言葉は木葉の上を通り過ぎ、まるで聞こえていないかのようだ。


「圭斗とは? ……あいつと、付き合ってるんじゃないの?」


< 22 / 122 >

この作品をシェア

pagetop