蜜色トライアングル ~String of origin
二人で築いてきた想い出を自分が壊してしまった。
嫉妬に身を焼き、怒りに身を染めて……。
「……っ……」
けれど、もうこれ以上弟でいることはできない。
木葉の体を知ってしまった以上、もう引き返せない。
木葉を姉として見るなど、できるはずもない。
「木葉……」
「……」
「ごめん。……もうオレは、弟には戻れない」
「……ゆ……づる……」
木葉の目が悲しげに由弦を見る。
由弦は木葉をじっと見つめ、囁いた。
「大切にするから。オレのものになって、木葉……」
由弦は言い、木葉の唇にキスを落とした。
キスは二人の唇を濡らし、しだいに深くなっていく。
由弦は木葉の唇の感触に、再び体の中に熱が生まれるのを感じた。
――――夜は、まだ終わりそうになかった。
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