蜜色トライアングル ~String of origin



翌週の月曜。

木葉は角倉医院で事務をしていたが、廊下で貧血を起こし倒れてしまった。

そのまま急いで奥の事務室に運ばれ、長椅子に横たえられる。


「……あんた……」


椅子の上に横たわった木葉を、凛花が心配そうな目で見つめる。

この数日で木葉はみるみるうちに痩せ細り、顔色も悪くなった。

凛花は険しい目で木葉を見る。


「どう見てもおかしいわよ、あんた。健康だけが取り柄のあんたが、貧血だなんて……」

「……凛花ちゃん……」

「そろそろ言ったらどう? それとも……言えないことなの?」


凛花の言葉に、木葉はくっと喉を鳴らした。

一瞬見開かれた瞳がゆっくりと逸らされる。


「言えないことなのね?」

「……」

「そう。あんたが言えないことって……なんとなく、予想がつくわ」


凛花ははぁと息をつき、木葉の顎を掴んだ。

そのままくいと凛花の方に向ける。


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