蜜色トライアングル ~String of origin
『大丈夫だよ、ゆづる』
『……』
『お姉ちゃんがいるからね』
木葉は由弦にいつもと変わらぬ顔で笑いかける。
その表情に由弦はほっとした。
木葉の笑顔を見ると、由弦は心が温かくなる。
『……もう一回、行ってみようね』
木葉は由弦の手をぎゅっと握りしめた。
もう一度、草むらへと歩き出す。
しかしまた、元の場所へと戻ってきてしまった。
『……』
不安そうに見上げた由弦に、木葉はにこりと笑った。
木葉の目にも不安の影がある。
しかし由弦に見せたのは、いつもの笑顔だった。
『心配しないで、ゆづる』
――――泣きそうな、笑顔。
由弦は木葉の顔を見上げながら、ぎゅっと木葉の手を握りしめた。
やがて。