蜜色トライアングル ~String of origin



「……気色悪い……」


ふいに漏らされた言葉に木葉は固まった。

遥は憎悪に満ちた目で木葉を睨みつけている。


「あなたは由弦のお姉さんでしょ!? なんでそんな気持ち悪いことできるんですか!?」

「……っ」

「私が、由弦をまともな道に戻します。あなたは由弦に近づかないでください」


そこまで言い、遥は脱力したように肩を落とした。

髪を揺らしてくるりと背を向ける。

ヒールのサンダルで走り去るその後ろ姿を、木葉はなすすべもなく見つめていた……。



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