蜜色トライアングル ~String of origin
7.今やるべきこと
「……由弦」
「……っ……」
「お前、木葉をどうするつもりだ?」
言いながら、冬青はぎりっとさらに腕を押し付ける。
由弦は呻いた。
「……っ、兄、貴っ……」
「絞め殺す気か?」
冬青の瞳は鋭さを増し、刃物のように由弦を見据える。
今や冬青が由弦を絞め殺す勢いだ。
木葉は二人の姿を呆然と見ていたが、すぐに我に返り、テーブルから降りた。
「やめてっ、お兄ちゃん!」
「……木葉」
兄の手を掴んだ木葉に冬青が視線を向けた。
その瞳は鋭く、いつになく冷たい。
しかし木葉を見つめるうちに、いつもの涼しげな瞳に戻った。
冬青はゆっくりと由弦の首から腕を離した。
とたん、由弦が肩を揺らして大きく咳き込む。
「……ぐっ……ゲホっ……」
由弦はしばし咳き込んでいたが、やがて大きく息をつき、冬青を見た。
その表情に先ほどまでの切羽詰まった様子はない。