蜜色トライアングル ~String of origin
「……わかったよ……」
由弦は噛みしめるように言い、顔を上げた。
何かを決心したかのような顔に、木葉は驚き、由弦を見上げた。
「……木葉、ごめんな。オレ、大事なことを忘れてた」
「……由弦?」
「今のオレには、木葉に好きだなんて言う資格はない。……今は、な」
「……」
「……兄貴。ありがとな、思い出させてくれて」
由弦は少し笑い、冬青を見た。
冬青も落ち着いた表情で由弦を見つめている。
そんな二人を、木葉は怪訝そうな顔で見つめていた……。