蜜色トライアングル ~String of origin
「木葉。……話がある」
「?」
「公園に行こう」
木葉は由弦に手を引かれ、公園へと向かった。
久しぶりに触れた由弦の手に、なぜか頬が熱くなる。
前は、こんなことはなかったのに……。
由弦は公園に着くと、木葉をベンチに座らせた。
由弦もその隣に座る。
「懐かしいな、この公園」
「……そうだね」
「昔、よく遊んだな。あの砂場でトンネル作ったり、二人でシーソー乗ったり……」
由弦は懐かしむように公園を眺める。
木葉も由弦の隣で公園を眺めていた。
――――二人で築いた、優しい記憶。
あの夜粉々に砕けてしまったそれが、今、二人の間に確かに存在している。
「木葉」
「……?」
「オレ、留学することに決めた」