蜜色トライアングル ~String of origin
「……」
驚きのあまり、言葉が出ない。
けれど。
胸にじわりと暖かさが広がっていく。
木葉は手をぎゅっと握りしめた。
『お前たちは、新しい関係を築いていけるはずだ。これまでとは違う、新しい関係をな』
父の言葉が木葉の脳裏に蘇る。
――――『新しい関係』。
由弦は既に考えていたのだ。
二人が一緒に生きるための、新しい関係を。
「……返事を聞かせて、木葉」
由弦の言葉に、木葉はこくんと頷いた。
「うん。……わかったよ、由弦」
木葉はにこりと笑い、頷いた。
何か月ぶりかに見るその笑顔に、由弦の頬が歪む。