蜜色トライアングル ~String of origin
「ねえ由弦。……もし私がイヤって言ったら、どうするつもりだったの?」
木葉の言葉に、由弦は目を細めて笑った。
もう一度木葉の唇にキスを落とし、頬に手を添える。
「イヤだと言っても、無理やり攫って連れて行く」
「……」
「手荒なのは避けたいから、事前に確認しておこうと思ったわけ」
やはり由弦は由弦だ。
どちらを選んでも結果は同じだったらしい。
木葉はくすくす笑い、由弦を見上げた。
昔からずっと見てきた、焦げ茶の瞳。
二人の関係は変わっていくのかもしれない。
けれど。
由弦を、幸せにしたい。
そう思う気持ちは昔と変わらない。
木葉は瞳を潤ませ、じっと由弦を見上げた……。