蜜色トライアングル ~String of origin
4.花の独身もあと2年?
秋。
赤く色づいた葉が風に乗って空に舞い散る。
木葉は窓越しにそれを眺めながら、凛花ととともにカフェでランチを食べていた。
「それにしても、由弦も思い切ったもんよね」
この夏。
由弦はアメリカ・カリフォルニアへと旅立った。
――――それから3ケ月。
木葉はいつも通りの生活に戻っていた。
「由弦が研究留学した大学、アメリカでも相当難関のトコみたいよ?」
「そうなんだ……」
「あいつ、何の研究してんだかわからないけど……将来はどこかの機関の研究員にでもなるのかもね?」
凛花はフォークでパスタを器用にくるくるっと巻き、口に入れる。
木葉もパスタを食べ、コーヒーを一口飲んだ。
その胸元には、由弦にもらったアレキサンドライトのネックレスが光っている。