蜜色トライアングル ~String of origin



「しかし、由弦にしても冬青にしても……。顔が極端にいいヤツって、性格もどこか極端な部分があるわよね」

「……」

「冬青は見るからにヘンって感じだけど、由弦はもう少し普通かと思ってたわ。……まあ、あんたとの将来のために留学決めたのは、いいことだと思うけどね」


凛花の言葉に木葉は顔を上げた。

木葉の中では冬青は普通の社会人だ。

しかし凛花にとってはそうではないらしい。


「由弦、……あっちで彼女とか……作ったり、しないかな……」


木葉はぼそっと呟いた。

あれから由弦と一之瀬遥は正式に?別れたらしい。

由弦いわく『そもそも付き合ってない』とのことだったが……。


しかしあのルックスで、あの頭脳で、あの強引な性格だ。

アメリカでもモテないはずがない。

項垂れた木葉に、凛花はくすくすと笑った。


「あんたの口からそんな言葉が出るとはね……。由弦が聞いたら泣いて喜ぶわー」

「……」

「でもあんた、そんなこと心配するより別のこと心配しなさいよ」


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