蜜色トライアングル ~String of origin



「うん。……私、由弦と幸せになる」

「……木葉……」

「誰にも心配されないぐらい、幸せになる。だから……」


圭ちゃんも幸せになって。

と心の中で呟き、木葉はフロントガラスの向こうに広がる空を見上げた。


あと一日も経たないうちに由弦に会える。

由弦は変わっただろうか?


――――あれから2年。


由弦は大人っぽくなっているかもしれない。

木葉は窓に映る自分自身を見つめた。

木葉はあまり変わっていない。

しいて言えば、髪が背の中まで伸びたくらいだろうか?


今の木葉が、由弦の目にどう映るのか……。

想像するとドキドキする。


「もうすぐ着くよ」


圭斗の声に、木葉は降りる支度を始めた。

……由弦のところへと続く一歩。

待ちに待ったその一歩を、木葉は踏み出そうとしていた。


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