ホストなんて大嫌い!?
「日菜、上がったから

お次どうぞ?」

瞬がリビングに入ってくるのと、

写真をしまうのはほぼ同時で…

「何?

メンズ雑誌読んでも、面白くないでしょ。」

…内容なんか、読んでないけど。

「うん…

よくわからないや。」

「だろーな。

日菜、風呂入って来いよ。」

「うん。」

瞬のお言葉に甘えて、お風呂に入ることにした。

部屋が広いだけあって、浴室もかなり広くて…

「ほんと、何者なのよ。」

私の深いため息と、その言葉は

シャワー音に消されて。

一通り洗って出ると、バスタオルと

スエットが置いてあった。

「大きいんだけど…」

始めて着る男物の服は、大きくて

だけど、なんだか安心するような

そんなぬくもりがあった気がした。


リビングに戻ると、ちょうど髪を乾かしていた瞬。

「上がったんだ。

やっぱり大きいよな、それ。」

「うん。

まぁ、でも大丈夫。」

「…おいで?

髪、乾かしてあげる。」

「…」

「風邪ひくぞ?」

家に帰ってから、なんか急に優しくなって…

お店ではあんなにツンツンしてたくせに。

瞬の前にちょこんと座ると

ドライヤーのスイッチが入り

瞬の手が私の髪を撫でるように、滑ってゆく。

「ほら、できた。」

瞬の声が聞こえると同時に、ドライヤー音が止む。

…あっという間だった。
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