ホストなんて大嫌い!?
ベッドに入ってから、

どれくらいの時間がすぎたんだろう。

慣れない場所のせいか

私は寝付けずに居た。

「はぁ…」

夜風に当たろうと思い、ベランダに向かう。

高層マンションの最上階なだけあって

眺めがとても綺麗で

「うわぁ。」

思わず声が漏れた。

どのくらいの時間、ここに居たのだろう。

何をするわけでもなく、ただ空をみるだけ。

…そろそろ戻ろうか

そんな風に思ったとき…

「おい!」

後ろから、大きな声が聞こえた。

振り向くと、そこには瞬が居て…

心なしかあせってるような気がする。

「どうしたの?

なんか、焦ってる?」

「はぁ……

なんか焦ってる?じゃねぇよ。

勝手に居なくなるから、心配するだろ。」

「だって、瞬寝てたし…

起こすの可哀想だったから…」

「ったく。

本当、世話の焼ける奴だな。

そんなとこで何してんだよ。」

「んー…

景色見てた。」

いつの間にか、隣に瞬が居る。

「ねぇ、瞬?」

「ん?」

「私さ、瞬のこと何も知らない。」

「は?

どうした、突然。」

「同じ空間に居るのに、瞬のこと

何にも知らない。」

「野々宮瞬(ののみやしゅん)」

「え?」

「俺の本名。

他に聞きたいことは?」



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