ホストなんて大嫌い!?
「ほら、辛気臭い顔してねぇで食うぞ。」

瞬の向かい座らされ、箸を渡される。

「いただきます。」

ご飯を食べる私を満足そうに見る、瞬。

誰かの手作り料理なんかを食べたのは

本当に久しぶりだった。

幼い頃に、父を事故で亡くし

その頃から、母は仕事に精を出すようになり

気付けば、いつも一人だった。

主張の多い母の手料理なんかは滅多に食べれず

料理の出来ない私は、基本的に

コンビニのご飯かファストフードを食べ

ろくな食事をしていなかった。

「どうだ、口に合わないか?」

何も言葉を発しない私を見て

瞬は不安そうに顔を覗き込む。

「おいしいです。」

ありったけの笑顔と、感謝をこめて

瞬の顔を見ると

「そうか、良かった///」なんて

顔を赤くしていた。

朝食も終盤に差し掛かった頃

瞬が口を開いた。

「…あのさ、提案があるんだけど。」

「ん?」

箸を置く瞬に続いて、私も箸を止める。

「お前さ、俺ん家に住まないか?」

「はぁっ?」

瞬の唐突な質問に開いた口が塞がらない。

…ドッキリでも仕掛けようとしてるのだろうか。

「ドッキリじゃねぇぞ?」

まるで私の心を読んだかのような瞬の言葉。

「お前さ、一人にしておくと

まじで何するかわかんねぇんだもん。

パッと見未成年には見えないし

その辺ふらふらされて危ない目に合われても…な。」

急に保護者ぶる瞬に無性にイラついた

「何それ。

私、今年には17歳だし。

たった1日しか一緒にいない、あんたに

そんなこと言われる筋合いないでしょ?

お互いの事知らない者同士が一緒に住んだ所で

気を遣うだけでしょ?」

「俺は!!

お前のためを思っていったんだけど。」

「何が私のためよ!

私のためを思うなら、ほっといて!!」

そう言って、私は瞬の家を飛び出した。





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