銀色の、雨ふる国
「そんなにつまらないなら、この前、母さんに買ってもらった絵本があるだろう?開くと、立体のホログラムが浮かぶヤツ」
ぼくは冷蔵庫と床下の貯蔵庫を覗きながら、リルカに声をかける。
雨がふると買い物に行けないので、備蓄食料の確認は重要だ。
・・・大丈夫。
明後日、父さんと母さんが車で帰ってくるまでの食料は
子供二人と猫一匹には十分過ぎるほどにある。
「・・・」
「それとも、ゲームでもしようか?」
返事のないリルカが心配になったぼくは
冷蔵庫の扉を閉めて、今度は視線を合わせてから問いかける。