銀色の、雨ふる国
銀色の雨がふるようになってから、外で遊べなくなったぼくらの為に
両親は少し贅沢が過ぎる位に、あれこれと『暇つぶしの道具』を用意してくれていた。
リルカのお気に入りのロッキングチェアも、ホログラムの絵本も、最新式のゲームも
ぼくらが欲しいと思うものは、次から、次へと。
「ローザは、ゲーム出来ないもん」
小さなくちびるを尖らせると
リルカはローザを抱いたまま
ひょいと弾みをつけて、椅子から少し先へと飛び降りた。
やはり、リルカの不満は、ローザを思ってのものだったらしい。